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携帯式接触角計 PG-X+ / モバイル接触角計

接触角計PGシリーズは、世界初のポータブル接触角計としてリリースされ、20年たちました。大きな設備を導入しなくとも、容易に測定できることをコンセプトに開発されましたが、現行機は、高価な卓上試験機と比較しても劣らない、高精度、高機能はもとより高品質、メンテナンス性も重視された設計になっております。
今では、接触角計評価があらゆる業界で認知され、測定対象物も様々です。表面に凹凸があるサンプル、シート状でない3次元成形品等、あらゆるアプリケーションで活用できます。
接触角とは?意味と重要性|濡れ性・撥水性との関係や測定方法、応用事例まで徹底解説
製品開発や品質管理において、材料の表面特性を理解することは非常に重要です。その中でも「接触角」は、液体と固体表面の相互作用を評価するための重要な指標となります。
この記事では、接触角の基本的な意味から、濡れ性・撥水性との関係、測定方法、応用事例、そして注意点まで、接触角に関するあらゆる情報を網羅的に解説します。
接触角とは?意味と重要性
接触角とは、固体表面に液体を滴下した際に、液体と固体表面が形成する角度のことです。この角度を測定することで、液体と固体表面の親和性、すなわち「濡れ性」を評価できます。
- 接触角が小さい場合: 液体は固体表面によく馴染み、濡れ性が高いことを示します。(親水性)
- 接触角が大きい場合: 液体は固体表面を弾き、濡れ性が低いことを示します。(撥水性)
接触角の測定は、材料の表面処理、コーティング、接着、印刷など、様々な産業分野で品質管理や研究開発に役立てられています。
接触角の重要性
- 材料の表面特性を評価し、製品の品質向上に貢献
- 表面処理やコーティングの効果を定量的に評価
- 接着や印刷の品質管理に利用
- 新材料の開発や研究に役立つ
- 固体と液体の親和性を知る事で、製品の耐久性や性能の向上に繋がる
接触角と濡れ性・撥水性の関係
接触角は、濡れ性・撥水性を評価するための重要な指標です。
- 濡れ性
-
液体が固体表面に広がる性質
- 接触角が小さいほど、濡れ性が高い
例:親水性材料、洗浄剤、塗料
- 撥水性
-
液体が固体表面を弾く性質
- 接触角が大きいほど、撥水性が高い
例:撥水コーティング、防水材料
これらの性質は、製品の性能や耐久性に大きく影響するため、接触角の測定と制御は非常に重要です。
具体例
- 親水性コーティング: 静止した液滴の形状を測定
- 撥水コーティング: 自動車のボディを水や汚れから保護
- 親油性コーティング:化粧品のファンデーションの密着性を向上
接触角の測定法
接触角の測定法は、主に以下の3つに分類されます。
- 滴下法
-
最も一般的な測定法で、固体表面に液体を滴下し、その液滴の形状から接触角を算出します。
- 滴下法静止した液滴の形状を測定
- 動滴法液滴を成長・縮小させながら接触角を測定
- 傾斜法
-
固体表面を傾斜させ、液滴が滑り始める角度から接触角を算出します。
- 滴下法液滴が転がり落ちる角度を測定
- 動滴法液滴が滑り落ち始める角度を測定
- Wilhelmy法
-
固体試料を液体に浸漬し、その際の力学的変化から接触角を算出します。
- 繊維やフィルムなど、形状が特殊な試料の測定に適しています。
- 非常に小さい力も測定できる為、微細な繊維などの測定にも適している。
これらの測定法は、試料の種類や測定目的に応じて使い分けられます。
- それぞれの測定方法のメリット・デメリット
-
- 滴下法比較的簡便で、様々な試料に適用可能。しかし、液滴の蒸発や振動の影響を受けやすい。
- 動滴法表面の均一性や粗さの影響を受けにくい。しかし、液滴のサイズや形状によって測定結果が変動しやすい。
- Wilhelmy法表面の均一性や粗さの影響を受けにくい。しかし、液滴のサイズや形状によって測定結果が変動しやすい。
動的接触角とは?前進角・後退角とヒステリシス
動的接触角とは、液体が固体表面を移動する際の接触角のことです。
- 前進角液体が固体表面を濡らしながら進む際の接触角
- 後退角液体が固体表面から離れながら後退する際の接触角
前進角と後退角の差を「接触角ヒステリシス」と呼び、表面の粗さや不均一性を示します。
接触角ヒステリシスの重要性
- 表面の均一性評価
- 接着性や塗布性の評価
- 液体の移動現象の解析
- 表面の化学的性質、物理的性質を知る事が出来る。
粉体の接触角評価
粉体の接触角評価は、Washburn法や圧縮成形法など、特殊な測定法が用いられます。
- Washburn法粉体を充填したカラムに液体を浸透させ、その速度から接触角を算出します。
-
圧縮成形法
粉体を圧縮成形し、固体表面と同様の方法で接触角を測定します。
これらの測定法により、粉体の濡れ性や分散性を評価できます。
前進角と後退角の差を「接触角ヒステリシス」と呼び、表面の粗さや不均一性を示します。
粉体の接触角評価の応用
- 粉体塗料の分散性評価
- 医薬品粉末の溶解性評価
- 化粧品粉末の密着性評価
- 粉末状の農薬の、葉への付着性の評価。
接触角と表面エネルギーの関係
接触角は、表面エネルギーと密接な関係があります。
表面エネルギー
固体表面の活性度を示す指標
- 表面エネルギーが高いほど、濡れ性が高い
- 表面エネルギーが低いほど、撥水性が高い
接触角の測定結果から、表面エネルギーを算出することも可能です。
表面エネルギーの算出方法
- Youngの式
- Owens-Wendt法
- 酸塩基相互作用モデル
- Fowkes法
接触角の応用事例
接触角の測定は、様々な産業分野で応用されています。
- 表面の汚染測定結果に大きな影響を与えるため、試料の洗浄が重要
- 液体の蒸発特に低沸点液体の場合、測定中の蒸発に注意が必要
- 測定環境温度や湿度も測定結果に影響を与えるため、適切な環境管理が必要
- 表面粗さ表面粗さが大きいと、接触角の測定が困難になる場合がある
- 測定者の熟練度正確な測定には、測定者の熟練度が必要
- 測定機器の精度高精度な測定には、適切な測定機器の選定と校正が重要
これらの応用事例からもわかるように、接触角の制御は製品の性能向上に不可欠です。
よくある質問(FAQ)
- 接触角の測定には、いくつかの課題と注意点があります。
- 液体が固体表面に完全に濡れ広がった状態です。
- 接触角が180度の場合、どのような状態ですか?
- 液体が固体表面を完全に弾き、接触していない状態です。
- 接触角の測定結果はどのように活用されますか?
- 材料の表面処理やコーティングの最適化、製品の品質管理などに活用されます。
- 接触角ヒステリシスとは何ですか?
- 液体が固体表面を移動する際に、前進角と後退角の間に生じる差のことです。表面の粗さや不均一性を示します。
- 接触角と表面エネルギーの関係は?
- 接触角は表面エネルギーと密接な関係があり、接触角の測定結果から表面エネルギーを算出できます。
まとめ
接触角の活用が製品開発を進化させる
接触角は、材料の表面特性を評価するための重要な指標であり、様々な産業分野で活用されています。接触角の測定と制御により、製品の性能向上や品質管理の効率化が期待できます。